しかし近年は、粉飾決算の多くが、見せかけの過大利益を誇示している。
ここに、問題の本質が横たわっている。
利益が上がれば株価が上がる。
株価が上がれば、他社を株式交換で吸収しやすくなる。
そしてなによりも、経営陣はストック・オプション(価格が上がった株を売却して利益を得る権利)によって、自社株が上がれば自己の報酬を増やせる。
日本初の金融コングロマリット誕生の意味二○○八年一月、Cグループという金融コングロマリット(銀行、証券、保険、クレジットカードといったあらゆる金融業務を傘下にもつ金融組織)が、N興コーディアルグループを傘下に納めた。
これは、日本の巨大証券会社が、外資の傘下となるということ以上に大きな意味をもつ。
これで、銀行、証券、保険、クレジットカード間の垣根が事実上撤廃され、金融の縦横無尽の拡大領域が切り開かれたことになるからである。
この合併は国民の関心の的であった三角合併(外国の親会社の株式をその会社の日本における子会社が、買収したい日本の企業の株式と交換して、買収を実現させること)の第一号であった。
アメリカの巨大金融コングロマリットのために、アメリカ政府は日本に執勧に三角合併の採用を迫っていたのである。
これによって、日本でも銀行と証券との垣根が事実上なくされたという点に大きな意味がある。
アメリカの金融近代化法は、法案審議を主導した各委員長の名前を取って、「Gラム・Rーチ・Bライリー法」(一九九九年)として知られている。
この法律によって、戦後体制は一挙に大恐慌以前の体制に戻された。
恐慌を経験した後の「Gラス・Sティーガル法」(一九三三年)によって、銀行、保険、証券といったそれぞれの金融業務を分けていた垣根が撤廃され、これら金融機関の相互提携・相互参入が可能になった。
金融に関するあらゆる業務が、金融持株会社を創設することで、一つの母体で運営されることが可能になったのである。
六六年間続いてきたアメリカの金融制度がこの法律によって大転換した。
以降、アメリカのみならず、世界中で、金融コングロマリットが誕生することになった。
アメリカ発の金融の自由化とは、Gラス・スティーガル法を撤廃する動き以外のなにものでもなかった。
大恐慌の教訓は、無惨にも踏みにじられてしまったのである。
そして、日本は嬉々としてこの路線を踏襲している。
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